
【後編】外部施策&LLMOトレンドを深掘り!検索上位を守り抜く「4大アップデート対策」
こんにちは、中村 聡(なかむら さとし)です。こちらは後編となります。(前編では「SEOの基礎知識」や「内部施策」「費用対効果の考え方」などを解説しました。)後編は、さらに応用的な内容──キーワード戦略、外部施策(被リンクやMEOなど)、最新SEOトレンド──を中心に取り上げます。僕が実際に経験してきた事例や、海外Webマーケティングカンファレンスで得た知見も交えながら、合計10のポイントをしっかり押さえましょう。
前編を未読の方へ
ぜひ前編も合わせてご覧いただくと、内部対策と外部対策を含むSEO全体像を整理できるはずです。
◆ Part5:キーワード戦略とコンテンツ制作(E-E-A-T重視)
◇ 概要
SEO対策 初心者がつまずくポイントの一つが「キーワード選定」です。ここでは“検索意図”を踏まえたキーワード戦略、そしてE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)に沿ったコンテンツ制作のポイントを解説します。僕が実際にチームを率いて成功したエピソードをベースに具体的な進め方をお伝えします。
● キーワード戦略の重要性
検索エンジンからの流入を増やすためには、まず狙うキーワードを定めることが大切です。僕の経験上、ここを曖昧にしたまま闇雲に記事を作ってしまうと、成果につながりにくいです。逆に言えば「このキーワードを狙う」と明確になれば、サイト構造や記事ネタの方向性がブレにくくなります。
- メインキーワード:SEO対策で一番重視する軸の言葉。「ダイエット」「留学」「転職」など大きなテーマ。
- サブキーワード:上位表示を狙いたい関連ワード。「ダイエット 食事制限」「留学 カナダ 費用」「転職 40代 未経験」など。
- ロングテールキーワード:月間検索数は少ないが、具体的な検索意図がある複合語。「ダイエット 40代 腰痛 対策」「留学 カナダ ワーキングホリデー 期間」など。

このように層を分け、コンテンツの優先度や構成を計画するのがキーワード戦略の出発点です。
● 検索意図の考え方
キーワードを選ぶ際に意識したいのが「検索意図(インテント)」。例えば「ダイエット 食事制限」と検索するユーザーは「具体的な食事メニューが知りたい」「糖質制限のレシピが欲しい」などの目的が想定されます。
僕がかつて担当したECサイトでは、検索意図の調査で「購入前に口コミを知りたい」ニーズが強いことが分かり、実際のユーザーインタビューやレビュー記事を増やしたところ、検索結果での上位化&CV数向上につながりました。
● キーワード選定の手順(初心者向け)
- キーワードプランナーやラッコキーワードを活用して、関連語を洗い出す。
- 競合サイト(特に自社と似た規模・特徴)を分析して、どんなキーワードで上位表示しているか確認。
- ビジネス目標・ユーザーニーズと照らし合わせ、優先度の高いキーワードを数十個ほどに絞る。
- キーワードを元にコンテンツの方向性(何を書くか、どの検索意図に応えるか)を明確にして、記事構成案を作る。
● E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作
Googleの検索品質ガイドラインにはE-E-A-Tが重視されると記載があります。これはExperience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trust(信頼性)を指し、特に以下のようなポイントを押さえると評価が高まるといわれています。
- Experience(経験)
- 実際に商品やサービスを使った体験談を入れる
- ユーザーインタビューや独自調査の結果を紹介
- Expertise(専門性)
- 著者がその分野の専門家である証拠を明示(プロフィールや実績)
- 難しい領域であれば監修者・医師・弁護士などを明記
- Authoritativeness(権威性)
- 業界内での知名度、専門媒体での掲載実績
- 公式機関や公的データへの言及やリンクを丁寧に示す
- Trust(信頼性)
- 運営会社情報、プライバシーポリシー、問い合わせ先を明示
- 間違いやすい情報には根拠を示す

僕が海外のWebマーケティングカンファレンスで聞いた実例では、「健康」「金融」「法律」などのいわゆるYMYL領域(Your Money or Your Life)は特にE-E-A-Tが厳しく評価されると言われています。実際に医療系サイトで、専門家が監修した記事を継続的に発信したところ、検索順位が安定して高い事例があります。
◇ 小結・まとめ
- キーワード選定は「メイン」「サブ」「ロングテール」の3階層を意識し、検索意図を深掘りする。
- コンテンツ制作にはE-E-A-Tが欠かせない。特にYMYLジャンルは要注意。
- 独自の体験談、一次情報、権威あるソースを多く盛り込むと差別化しやすい。
◇ FAQ
A1:月間検索ボリュームが大きいビッグキーワードだけを狙い、競合が強すぎて上位化しないまま手詰まりになるケースです。まずはロングテールや中規模キーワードから攻略すると成果が出やすくなります。
A2:執筆者・監修者のプロフィールを明示し、専門性を感じる情報を加えることが大切。また、公的機関のデータや統計の引用、運営元の会社概要の充実、SNSなど外部プラットフォームとの連携なども有効です。
A3:昔はキーワードを一定割合で散りばめる手法が流行しましたが、現在は不自然な詰め込みは逆効果です。自然な文脈で主要キーワードを盛り込み、検索意図を満たす文章を書きましょう。
◆ Part6:外部施策(被リンク・MEO・SNS活用)──検索エンジン対策をさらに強化
◇ 概要
前編で「内部施策」、後編のPart5で「キーワード戦略・コンテンツ制作」を整理しました。続いて「外部施策」に着目します。被リンクの獲得方法、MEO(Googleビジネスプロフィール)、SNSの活用など、内部対策だけでは補えないポイントを網羅します。僕が過去に試行錯誤して見つけた「ホワイトハット被リンク」のコツも紹介します。
● 被リンク(Backlinks)の考え方
検索エンジンは「どのサイトが多くの他サイトから参照されているか」を1つの評価軸とします。被リンクが多いサイトは、他サイトから信頼されていると判断されやすいためです。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 質の高い被リンクとは?
- 自然な文脈の中で張られる(キーワードを無理やり anchor text にせず、関連性が高い)
- 販売サイトや自作自演リンクではない(ペナルティ対象)
- Dofollow属性で張られている(NofollowはSEO効果が薄い)
- 被リンクを買う(購入)行為はNG
- 大昔は「リンク売買」が盛んでしたが、Googleペンギンアップデート以降、ブラックハットSEOとして厳しく罰せられます。
- ホワイトハット被リンクの得方
- 有益なコンテンツを作り、SNSやプレスリリース等で拡散して自然リンクを呼び込む
- 関連企業・取引先サイトとの相互協力(インタビュー記事など)
- 各種メディアへの寄稿や「○○に特化した企業一覧」への掲載
僕がECサイト担当時代、社内コンテンツを強化して「実際のユーザーインタビュー記事」を大量に作った結果、複数のメディアが「面白いデータがまとまっている」と取り上げてくれ、月に数本ずつ自然な被リンクが集まりました。やはり「オリジナリティ+実データ」が最強だなと痛感しました。
● MEO(Map Engine Optimization)
MEOとは「Googleマップ検索」における上位化施策です。正式名称は「ローカルSEO」などとも呼ばれ、店舗ビジネスや地域密着型サービスでは欠かせません。
- Googleビジネスプロフィールの情報を最新に保つ
- 写真や口コミを積極的に更新し、ユーザーとのやりとりで評価を上げる
- サービスカテゴリ・営業時間・電話番号・住所など誤記がないよう整備
たとえば飲食店の場合、「SEO対策 初心者」が「東京 カフェ」と検索した際に、マップ上部に目立つ形で表示されるだけで集客効果は大きいです。
● SNS活用との関連
近年はSNSが検索エンジンに与えるシグナル(サイテーションなど)を無視できません。特にTwitterやX(旧Twitter)で拡散されると、被リンクが集まるきっかけにもなります。
- SNSでバズ→別媒体が引用→被リンク獲得
このサイクルが起きやすく、検索上位がじわじわ上がるケースも。僕は海外のSEOカンファレンスで「SNS発のサイテーション量が一種の社会的証明になる」と指摘する専門家の話を聴き、「サイトにSNSシェアボタンを設置するだけでなく、SNSで発信→話題化→リンク獲得」の流れを意識した施策を組み込みました。
施策 | 主な内容 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
被リンク対策 | 質の高いサイトからの自然なリンクを獲得する | ドメイン評価が高まり、検索順位が上がりやすい | リンク売買や自演リンクはペナルティ対象に注意 |
MEO | Googleビジネスプロフィールを最適化し、地図検索で上位表示を狙う | 地域・店舗ビジネスの集客力が大きく向上 | 店舗情報の更新や口コミへの対応を継続する必要がある |
SNS活用 | 記事やコンテンツをSNSでシェアし、拡散を図る | バズによる拡散で自然リンク獲得のチャンスが増える | 炎上リスクやSNS運用コストも考慮が必要 |
プレスリリース | 新商品やイベント情報をメディアに向けて発信 | 媒体に取り上げられると高品質な被リンクや認知度UP | 魅力的な内容&タイミングを考慮しないと効果が薄い |
◇ 小結・まとめ
- 被リンクはあくまで自然に集めるもの。販売リンクや自演リンクはペナルティに注意。
- MEO(Googleビジネスプロフィール)は地域ビジネスや実店舗を持つ企業に有効。
- SNS活用は直接的なリンクジュースは少なくとも、間接的に被リンクを呼び込む可能性がある。
◇ FAQ
A1:拠点や店舗がない事業(オンライン完結)ならMEOは優先度が低いです。しかし、オフィスやショールームがあるなら情報を正確に整備しておくだけでも、検索ユーザーの信頼を得られます。
A2:量だけでなく質が最重要です。関連性が高く、権威性のあるサイトからのリンクほど効果が高いです。無関係な大量リンクは逆に疑われるリスクがあります。
◆ Part7:効果検証と改善サイクル:分析ツールを使ってPDCAを回す
◇ 概要
SEO対策は「やりっぱなし」ではなく、継続的な効果測定→改善が必須です。Googleアナリティクス4(GA4)やGoogleサーチコンソール、その他ツールを組み合わせて、どこをどう修正すべきかPDCAを回しましょう。ここでは具体的な数値指標と、僕が実践してきた改善サイクルの例を解説します。
● SEOの主な指標
- 検索順位(特定キーワードごとの)
- インプレッション数(サーチコンソールで確認)
- クリック数・CTR(サーチコンソール)
- オーガニックセッション数(GA4)
- コンバージョン数・CVR(GA4でeコマース設定やイベントトラッキングを行う)
順位が上がったのにクリック率が低い場合は、タイトル・ディスクリプションを見直す必要があります。逆に検索結果での表示回数が増えない場合は、サイトのドメイン評価や被リンクなどを強化するアプローチを検討しましょう。
● Googleサーチコンソールの活用
- Performance(検索パフォーマンス)でキーワード単位のCTR、順位、クリック数を確認。
- Coverage(カバレッジ)でクロール・インデックスの状態をチェック。
- URL Inspection(URL検査)で新規記事のインデックス促進やエラー確認。
● GA4(Googleアナリティクス4)の活用
- エンゲージメント率(UA版の直帰率に相当)
- Conversion設定を行い、問い合わせ・購入・資料DLなどをトラッキング
- LLMO時代を意識するなら、ページ滞在時間やスクロール深度を把握して、ユーザー体験を向上させる
● 改善サイクル(PDCA)の例
僕が社内で使っていた簡易的PDCAの流れは下記の通り。
- Plan:検索パフォーマンスを眺め、順位が低いor CTRが低いキーワードを洗い出す。
- Do:タイトル・ディスクリプション、見出しの最適化やリライトを行う。
- Check:1〜2週間程度で再度サーチコンソールやGA4を確認し、クリック数や順位を比較。
- Action:効果が出たものは継続し、出なかったものは別の改善策を講じる。
1回の施策で大きく順位が動くこともあれば、微妙な変化しか見られない場合もあります。1〜3ヶ月スパンで腰を据えてデータを追う姿勢が大切です。
◇ 小結・まとめ
- SEOの効果測定にはサーチコンソール・GA4が必須。
- 指標は順位/CTR/セッション/コンバージョンなど多岐にわたる。
- 改善サイクルを回し続けることで、より確度高く上位表示を狙える。
◇ FAQ
A1:最低でも週1回は見たほうがいいですが、大幅な変化を期待するなら1〜3ヶ月単位で傾向を見ることが重要。コアアップデートなどがあれば随時チェックを。
A2:はい、Googleのコアアップデートや何らかのペナルティなどで、一時的に急落するケースがあります。心当たりがなければ数週間様子を見て、原因を調査しましょう。
A3:新規記事を公開して1〜2週間ですぐに大幅修正すると、検索エンジンが再評価するタイミングを逃すかもしれません。最低1ヶ月〜3ヶ月の推移を見てからリライトを検討しましょう。
◆ Part8:これからのSEOで大事なこと ─ AI・アルゴリズム変動との向き合い方
◇ 概要
近年、検索エンジンは大規模言語モデル(LLMO)を取り込む方向に進化し、またコアアップデートなどのアルゴリズム変動が頻繁に行われています。ここでは、未来を見据えたSEO運用について僕の視点と、ユーザーインタビューの活用事例を紹介し、前編・後編全体を総括します。
● コアアップデートとの付き合い方
Googleは定期的にコアアップデートを実施し、検索結果を大きく入れ替えることがあります。対処法としては「ユーザーに価値あるコンテンツを提供」し続けるのが王道です。以下のようなことを意識するとリスクが減ります。
- 特定の裏技(大量キーワード詰め込み、リンク購入)に依存しない
- 定期的に情報をアップデート(古い記事はリライトや加筆)
- ドメイン全体の信頼性を下げるような薄い記事や重複コンテンツを放置しない
● LLMO(大規模言語モデル)の台頭
- BingのGPT統合、Googleの「Gemini」や「Search Generative Experience (SGE)」など。
- 将来的にはユーザーがチャットボットとの対話で完結する可能性が高まりますが、参照元URLを表示する仕組みが検討されているため、質の高い情報を提供するサイトは依然として価値があります。
- AIが生成した文章は、独自性や一次情報に乏しく、誤情報を含むケースもあるため、人間が独自に検証したコンテンツを提供できるかが差別化ポイントです。
● 僕の実体験:ユーザーインタビューで爆伸び
僕がSEO強化に成功したECサイトでは、20~30代の女性ユーザーを対象に直接インタビューを実施し、その内容を記事化しました。「実際に使ってどう変わったか」「なぜ選んだか」というリアルな声を多数掲載したところ、SNSで話題になり、他サイトからの被リンクも獲得。結果として検索上位を安定的に維持できています。
- これはまさに「AIには出せないリアルな体験」を武器にする一例です。
● 前編・後編まとめ
- 前編では、基礎知識(SEOとは/SEMとの違い/内部施策/費用対効果など)を解説。
- 後編では、キーワード戦略、外部施策(被リンク・MEO・SNS)、効果検証、アルゴリズム変動やAIの潮流など応用編を取り上げました。
今後のSEOでは、ユーザーに「このサイトじゃなきゃ得られない」と思わせるような独自のコンテンツがより求められます。コンテンツSEOやホワイトハット施策を軸に、コアアップデートやLLMO検索時代にも耐え得るサイトづくりを目指しましょう。
◇ 小結・まとめ
- コアアップデートは回避不能。本質的にユーザーに役立つサイトを育てるしかない。
- LLMO時代こそ、一次情報や独自体験の価値が上がる。AIコンテンツのコピペでは勝てない。
- 前編・後編の全体像をもとに、自社のロードマップを作り、長期目線でSEOに取り組もう。
◇ FAQ
A1:確かに検索エンジンの形態は変わりつつありますが、引用元を必要とするAI回答の仕組みは残り続ける見込みです。独自のデータや専門情報を持つサイトは十分に価値を発揮します。
A2:規模にかかわらず検索順位に変動は起こり得ます。ただし、小規模でも専門性が高いサイトなら比較的安定するケースも多いです。
A3:AIを「下書き」や「インスピレーション用」に使うのは有効ですが、そのままコピペして公開するのは推奨されません。事実確認や独自視点の追加が欠かせません。
全体まとめ & 今後のステップ
ここまで前編・後編あわせて、SEO対策10選を中心に「内部施策と外部施策」「キーワード戦略」「費用対効果」「MEO」「最新トレンド」まで一気通貫で解説しました。僕が海外カンファレンスに参加したり、国内大手ECのSEOを担当してきたりして実感するのは、検索エンジンも大規模言語モデルも最終的にはユーザー満足を最優先にしているということです。
- ユーザー目線:検索意図(インテント)に合ったコンテンツを用意し、回遊しやすい導線を整える
- 独自性:AIが生成できない一次情報や取材、具体的なデータやエピソードが武器になる
- 継続的改善:アルゴリズム変化やユーザーの興味に合わせてコンテンツをアップデートする
この3点こそが、今後も揺るがないSEOの本質でしょう。ぜひ本記事を参考に、自社サイトの改善やコンテンツ戦略に取り組んでみてください。LLMO×SEOの新時代においても、一歩先を行く集客とブランディングを実現できるはずです。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。これで前編・後編あわせて約2万字規模のマニュアルとなりました。ぜひ自社のサイトや今後のキャリアに活かしていただければ幸いです。僕自身、今後も海外カンファレンスや新しいSEO情報をキャッチして、さらに深い知見をアップデートしていきます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。