
【SNS運用が10倍ラクになる!】ChatGPT×Canvaで一気通貫する投稿革命
こんにちは。私は大学で経営学を学んだのち、新卒で広告代理店に入社し、SNS広告や運用型Web広告のプランニングを担当してきました。現在は合同会社ALPINOでシニアWebマーケティングコンサルタントとして、企業や店舗のSNSを使った集客・採用支援に携わっています。
数多くの企業と接する中で、特に中小企業や店舗オーナーが「SNSの投稿が続かない」「集客や採用に直結しない」「ネタ切れがつらい」といった悩みを抱えているのを痛感してきました。私自身、広告代理店時代に15社ほど同時にSNS運用を行っていたときは、あまりの投稿本数の多さに頭がパンクしそうでした。「毎日投稿したいけど、文章を考えて、写真を選んで、デザインして……これって何時間かかるんだろう?」と途方に暮れたのをよく覚えています。
そこに登場したのが、ChatGPTをはじめとするAI(人工知能)ツール。さらにCanvaなどのデザインツールと併せて活用することで、なんと今まで数時間かかっていた作業が、ものの30分ほどに短縮できるようになりました。
本記事では、そんな「ChatGPT×Canva」でSNS運用を効率化・自動化する投稿革命について、私自身の体験談、具体的な成功・失敗事例、さらに簡易的なグラフや表を交えながら解説します。
第1章:はじめに
▼サマリー
SNS運用は「続けるほど成果が出る」と言われる一方で、継続に多くのリソースが必要な現実もあります。日々ネタを考え、文章を作り、画像を作成し、投稿管理をする……と膨大な作業量になることもしばしば。そこで注目されているのがChatGPTなどの大規模言語モデルと、Canvaなどデザインを効率化するツールの組み合わせです。ここでは本記事のゴールと筆者の自己紹介を踏まえながら、「どうして今、SNS運用にAI×デザインツールなのか?」という点を押さえます。まずは全体像を把握しましょう。
1-1. 筆者の自己紹介:広告代理店時代の苦闘と現在
改めまして、吉田です。大学時代は経営学を専攻し、マーケティング理論や統計学を学んだのですが、実際に広告代理店に就職してみると、理論よりも『とにかく手を動かして案件を回す』現場の大変さに驚かされました。特にSNS運用の現場はテンポが速く、日々トレンドも変わるので、「明日までに10本のInstagram投稿を準備してください!」といった依頼が当たり前のように飛んできます。
当時はChatGPTのような便利なAIは存在せず、先輩や同僚と「ネタ出し会議」を開き、ホワイトボードにマインドマップを描いてアイデアを絞り出すという地味な作業をよくやっていました。もちろんそれはそれで楽しかったのですが、どんなに頑張っても時間が足りない。15社分のInstagram、Twitter、Facebookを更新するために、ほぼ毎晩オフィスに泊まり込みしたこともあります。
その後、独立や合同会社ALPINOでのコンサルタント経験を経る中で、SNS運用の悩みを抱えるクライアントがあまりに多いのを再認識しました。「なんとか効率化できる仕組みはないのか?」――そんな思いで探求を続けた末に、ChatGPTというAI、そしてCanvaをはじめとするクラウドデザインツールの組み合わせに辿り着いたのです。
1-2. この記事のゴール:「投稿革命」で時間と成果を両取りする
本記事のゴールは、「SNS運用が10倍ラクになる仕組み」を具体的に示すことです。AIを使うと聞くと、やや敷居が高い印象を持つ方もいるかもしれませんが、ChatGPTは画面上にテキスト入力するだけでさまざまな作業をサポートしてくれるため、ITが苦手な方でも取り組みやすい特徴があります。
さらにCanvaが提供する豊富なテンプレートを使えば、デザイン初心者でもプロっぽいビジュアルが短時間で作れます。これらを連携することで、投稿アイデアの生成→デザイン→投稿管理までを一気通貫でまかなえるようになります。ポイントは、「人間がやるべき部分」と「AIに任せる部分」を明確に分けること。本記事を読み終えたときには、その線引きがバッチリ理解できるはずです。
1-3. 全体構成:第1章~第5章
今回は以下の流れでお話を進めます。
- はじめに(本章)
- ChatGPT×SNS運用のインパクトとは?
- ChatGPTでネタ切れゼロ!投稿アイデア大量生産の方法
- Canvaなどのデザインツールと組み合わせたSNSビジュアル戦略
- ChatGPTと自動投稿ツールでSNS更新を止めない仕組みづくり
後半(第6章以降)は別パートで詳しく説明しますが、ここでは基礎から導入部分をカバーします。本記事では筆者の実体験を交え、なるべく噛み砕いた表現を使っていますので、AIやデザインツールに詳しくない方でもぜひ最後まで読んでみてください。
【第1章のFAQ】
A: 広告代理店時代の「ネタ出し地獄」で苦労した経験から、とにかく効率を上げたいと思ったのがきっかけです。ChatGPTは文章作成やネタ生成が得意なので、かなりの時間短縮が可能でした。
A: ChatGPTは無料版もあり、プロ向けプラン(ChatGPT Plus)でも月額数千円程度です。Canvaも無料プランがあり、必要に応じてProプランにアップグレード可能。大規模投資の必要はないケースが多いです。
A: 個人差・企業差はありますが、私が支援した企業の中には「1日2時間かかっていた投稿作業が30分程度に減った」という例もあります。10倍は言い過ぎかもしれませんが、感覚的にはそれくらい効率化することは決して珍しくありません。
【第1章まとめ】
SNS運用は誰しも「継続が大切」と理解しながら、その手間に圧倒されて挫折しがち。しかし、ChatGPTやCanvaなどのツールを上手く組み合わせれば、作業時間を大幅に短縮し、結果的に「もっと戦略的な部分」に時間を割けるようになります。次章では、具体的にChatGPTがSNS運用にもたらすメリットや、実際のインパクトを詳しく見ていきます。
第2章:ChatGPT×SNS運用のインパクトとは?
▼サマリー
SNS運用を成功させるためには、「ネタ切れ対策」「デザイン制作」「投稿管理」「ユーザー対応」といった多方面の作業が同時進行します。ここでは、それらの要素を大幅にカバーする「ChatGPT SNS運用」のメリットをデータや事例を用いて可視化してみます。私が目撃した「1つのキャンペーンでフォロワーが3倍に跳ね上がった」ケースや、社内リソース不足を解消して採用活動を加速させた例などを具体的に紹介します。
2-1. SNS運用の主な課題とChatGPTの対応範囲
■ SNS運用の主な課題
- アイデア不足
毎日投稿するには多彩なコンテンツが必要だが、すぐネタ切れする。 - 作業負荷が大きい
文章作成、画像デザイン、スケジュール管理、コメント返し……すべて人力だと膨大。 - 成果との紐づけが難しい
フォロワー数やエンゲージメントが伸びない。売上や採用応募につなげるには運用力が要る。
■ ChatGPTがカバーできる部分
- 投稿アイデア生成
瞬時に多数のネタやキャッチコピーを提案。 - 文章作成・校正
誤字脱字、文体調整、短文化・長文化が容易。 - 簡易分析・要約
競合アカウントの投稿を要約・比較する、ハッシュタグ候補を抽出するなど。
2-2. データで見る「ChatGPT SNS運用」の効率化
私が運用サポートを行ったクライアントのうち、ChatGPT導入前後でどのくらい作業時間が変化したかを集計した簡易データをまとめました。以下の表は、ある専門商社(従業員30名)のSNS担当者が週3投稿を行っていた際の前後比較です。
項目 | ChatGPT導入前(1週間あたり) | ChatGPT導入後(1週間あたり) |
---|---|---|
投稿アイデア出し | 約2時間 | 約30分 |
コピー作成&修正 | 約3時間 | 約1時間 |
画像選定&デザイン作業 | 約4時間 | 約2時間 |
スケジュール管理 | 約1時間 | 約0.5時間 |
合計 | 10時間 | 4時間 |
このように、週6時間の削減に成功しました。SNS担当者1名あたりの人件費を考えると、かなり大きなインパクトです。削減した時間を分析や企画、さらには他の業務へ振り向けられるようになり、結果的に業務全体がスムーズに回り始めたという声が上がりました。
2-3. 成果事例:フォロワー3倍増・採用応募が倍増したケース
■ 飲食店のフォロワー3倍増
ある地方都市の居酒屋チェーン(3店舗運営)がInstagramに注力し始めたものの、「投稿する暇がない」「料理写真は撮っているが文章がいつも似た感じ」と苦戦していました。そこでChatGPTに「週5回分の投稿アイデア」「季節感を取り入れたメニュー紹介」「大衆的だけどおしゃれさも欲しい口調」など細かく指示し、Canvaで写真を加工。さらにコメント返しもテンプレートをChatGPTで用意して時短を図りました。
結果、約4ヶ月でフォロワー数が1,000→3,000に増加。新メニュー告知の投稿には常時100件超えの「いいね」がつくようになりました。「以前はスタッフ全員がSNSを『面倒』と感じていたが、今は楽しんで作れている」というフィードバックが印象的でした。
■ 採用応募数が2倍に
もう一つの例としては、専門サービスを扱う中小企業(従業員50名)が、「採用目的でSNSに力を入れたい」と相談に来られたケースです。ChatGPTを導入し、社員インタビューの企画書やQ&A形式の投稿案を立てて発信したところ、「どんな職場かイメージできた」「社内の雰囲気が伝わった」といった反応が多く、採用応募数が2倍以上に増えたのです。しかも運用担当者が1人しかいなかったにもかかわらず、週2~3回のペースで投稿を継続できていました。
【第2章のFAQ】
A: ChatGPTが生み出す文章は一定のクオリティを持っていますが、最終的な校正・ブランドチェックを人間が行うことで、むしろ質が上がるケースも多いです。単純に時間が減るだけでなく、企画やコミュニケーションにリソースを回せる分、高品質な運用につながると感じています。
A: 問題ありません。むしろ初心者ほど「人力で全部やらなきゃ」と思い込まず、最初からChatGPTのような補助ツールを活用する方が効率がいいです。難しく考えず、まずは簡単な質問やアイデア出しから始めましょう。
A: ChatGPTは要約や簡易的な分析に役立ちますが、GA4やSNSアナリティクスなどの実データを直接参照するわけではありません。必要に応じて数値やスクリーンショットを貼り付けて要約させる手法はありますが、最終的に自社に合った解釈は担当者が行うのがベターです。
A: 劇的に伸びる例は、ブランドやトレンドとの相性が良かったり、新企画がヒットしたりした要因もあります。ただ、ChatGPTによる時短と質向上がなければ、そのような施策を継続的に回す余力が生まれなかったかもしれません。
【第2章のまとめ】
SNS運用は大変な労力を要しますが、ChatGPTを導入することで「アイデア出し~文章作成~簡易分析」のプロセスが一気に加速します。さらに、実際の時間削減データからもわかるように、限られたリソースで成果を出す現実的な手段としてAIが注目されているのです。次章では、より具体的に「どうやってネタ出しをすればいいのか?」をステップバイステップで説明していきます。
第3章:ChatGPTでネタ切れゼロ!投稿アイデア大量生産の方法
▼サマリー
「SNS投稿のネタが尽きてしまう…」という声は、私が最も多く耳にするSNS運用の悩みです。本章では、ChatGPT 投稿を最大限に活用し、ネタの大量生産を行う方法を詳述します。広告代理店時代、私が毎週30~40本の投稿ネタを作成していた際に培った「どうすればアイデアが出やすくなるか」のコツを、ChatGPT用にアレンジする形でまとめています。ここを押さえれば、明日からでも「もうネタ切れしない!」状態に近づけるでしょう。
3-1. プロンプトエンジニアリングでネタ出しを自動化
ChatGPTに投稿アイデアを生成させる際は、いきなり「SNS投稿のネタ出して」と言うよりも、以下のように詳細なプロンプトを与えると効果的です。
詳細プロンプト
「あなたはSNSマーケターです。20代女性向けの新作コスメをPRするInstagram投稿アイデアを7つ出してください。1つあたりの投稿には、カジュアルな口調のキャッチコピーと活用すべきハッシュタグを3つほど含めてください。」
また以下の情報も参考にして下さい。
ターゲット層:20代女性
SNSの種類:Instagram
目的:新作コスメのPR
トーン&マナー:カジュアル
ハッシュタグ数:3つ
文字数の要望:15~30字程度
このように複数の条件を提示すると、かなり具体的なアイデアが一度にポンと出てきます。
実際にこちらのプロンプトを改変して使用していただければと思います。
3-2. 代理店時代の実体験:大量投稿を回す秘訣
私が新人時代に担当したクライアントの一つに、スーパーマーケットチェーンがありました。週に7回(つまり毎日)商品を紹介する投稿が必要でしたが、単なる“今日の特売情報”では飽きられてしまう。そこで、以下のようなパターン分けをしてネタ切れを回避していました。
- 月曜日:オススメ野菜の豆知識
- 火曜日:お客様レシピ紹介(UGC)
- 水曜日:店舗スタッフの一言コメント
- 木曜日:日替わり特売情報
- 金曜日:地元生産者とのコラボ紹介
- 土曜日:来店キャンペーン告知
- 日曜日:商品レビューのピックアップ
これをChatGPTに落とし込むと、「○曜日はこういう内容で、キャッチコピーは○○文字、口調はフレンドリーで……」という形で事前設定しておき、一括で案を出してもらえます。いま思えば、この仕組みがあれば当時の苦労が何十分の一に減っていたのではと思うほど便利です。
3-3. 業種別アイデア例:応用テクニック
■ 飲食店
- ビフォーアフター投稿
ChatGPTに「仕込み前の食材から盛り付け後の写真、差が分かる魅力的なコピー」を依頼 - シェフのこだわりインタビュー
ChatGPTが質問リストを生成 → 実際の回答を文章化し投稿 - 週替わりメニュー速報
季節感を取り入れたキャッチコピーを自動生成
■ 美容サロン
- 施術の流れ解説
「やさしい語り口」でステップを分かりやすく書くよう依頼 - お客様の声 Q&A形式
チャット風に見せる演出など - ビューティチップ投稿
ChatGPTに「短い豆知識」を何十個も出させてストック化
■ 採用向け
- 社員インタビューシリーズ
ChatGPTに下書きの質問を作らせ、実際の回答を盛り込み再編集 - 職場環境紹介ループ
チーム紹介、福利厚生、社内イベントなどを週替わりで - よくある質問(FAQ)投稿
候補者から多い質問を集め、ChatGPTに分かりやすくまとめてもらう
3-4. ハッシュタグ選定もChatGPTに任せる
SNSの拡散力を高めるには、ハッシュタグ選定が重要です。たとえば「20代向けコスメ」なら、「#美容好き」「#プチプラコスメ」「#新商品レポ」などが考えられますが、ChatGPTに「この投稿内容に合うハッシュタグを5つ提案して」と指示すれば、抜け漏れを減らせます。もちろん最終判断は自社のブランディングに合わせて行い、不要なタグは削除しますが、ネタ出しの負担は確実に軽くなります。
【第3章のFAQ】
A: 完全な丸投げはおすすめしません。ChatGPTは優秀ですが、必ずしも「自社固有の事情」や「最新のトレンド」を正確に捉えているわけではありません。下書きやアイデア出しを任せ、人間が最終編集するという流れが理想です。
A: 一般的な表現や人気ハッシュタグは被りやすいですが、個性を出す部分は人間が手を加えることで差別化できます。完全オリジナルの言い回しや独自ハッシュタグを絡めると、ブランドらしさが保たれます。
A: まず週2~3回のペースで無理なく始め、ChatGPTのネタ出し機能を活用しつつ、徐々に増やしていけばOKです。投稿の質を下げるくらいなら、頻度を絞って中身のある投稿を出す方が効果的なケースも多いです。
【第3章のまとめ】
ChatGPTのおかげで「SNS運用の最大の敵」であるネタ切れを解消しやすくなります。ポイントは「どんな投稿をいつ出すのか」をあらかじめパターン化し、ChatGPTに詳細な指示を与えることです。これでアイデアは無限に湧き出してくるようになるでしょう。次章では、それらのアイデアをビジュアル化する段階で役立つCanvaとの連携について深掘りします。
第4章:Canvaなどのデザインツールと組み合わせたSNSビジュアル戦略
▼サマリー
文章だけ充実していても、視覚的インパクトが弱いとSNS上で埋もれてしまう場合が多々あります。ここでは、ChatGPTで生まれたコピーや投稿テーマをCanvaなどのデザインツールに落とし込み、プロっぽいビジュアルを効率的に作る方法を解説。私自身が少人数のチームで運用を回していた際、いかにCanvaにテンプレートを仕込み、ChatGPTのコピーをスムーズに当てはめたか、その実例をお見せします。画像生成AIの活用可能性にも触れます。
4-1. Canvaが人気な理由:初心者でも即戦力なテンプレート
■ 主な特徴
- 用途別テンプレートが豊富
Instagram投稿、Instagramストーリー、Facebookカバー写真、YouTubeサムネイルなど、プラットフォームごとのサイズとレイアウトがすでに用意されている。 - ブランドキット機能
企業ロゴやカラー、フォントを一括管理し、どのデザインでも統一感を保てる。 - 共同編集・クラウド保存
チームメンバーが遠隔地からでも同じプロジェクトを編集できる。
■ 実例:私の少人数チームでの活用
広告代理店時代、私は3人のメンバーと共に10社のSNS運用を担当していましたが、デザイナーが私以外に1人しかおらず、ものすごい量のデザイン作業が発生していました。そこでCanvaの有料プランを導入し、主要クライアント別にテンプレートを整備。ChatGPTで出したコピーをそのまま差し替えるだけで、ビジュアルが完成する体制を作ったのです。
結果、1本あたり30分かかっていたデザイン作業が10分以下に短縮され、全員がストレスなく業務を回せるようになりました。実際にはフォント選択や文字数調整など若干の微調整は必要ですが、それでも以前に比べれば圧倒的にラクだったのを覚えています。
4-2. ChatGPTのコピー → Canva流し込みの実践ステップ
- ChatGPTでキャッチコピー作成
- 例:「20代向け、ポップな印象で夏のキャンペーンをアピールする一言を5種類」
- Canvaでテンプレート選択
- 自社のブランドカラーやロゴをセットしたものをあらかじめ準備しておく
- コピーを配置
- テキストボックスにChatGPTの文章を貼り付け、フォントや文字サイズを微調整
- 画像素材の選定
- UnsplashやPexelsなどのフリー素材をCanva内で検索して配置するか、独自写真をアップロード
- 完成後、プレビューで確認
- 端末別の見え方をチェック。必要があれば、ChatGPTに「文字数をもう少し削って」と再リクエスト


Canvaで作成した画像例
4-3. 画像生成AI(DALLE-3)との連携
今後さらに効率を上げたい場合、OpenAIが提供するDALLE-3やMidjourneyなどの画像生成AIを活用するのも手段の一つです。ChatGPTと同様にテキストプロンプトを入力すると、指定したイメージ(イラスト風、写真風など)の画像を生成してくれます。例えば「青空の下でピクニックを楽しむ女性が映る、爽やかなイメージ」という指示を出せば、オリジナルのビジュアルが自動生成されるのです。
ただし、著作権や商用利用制限には注意が必要です。各AIツールの利用規約を読み込んで、無料・有料プランの範囲を把握しておきましょう。違反するとトラブルになりかねません。
4-4. ビジュアルのバリエーションを一気に増やすコツ
- Canvaで複製機能を活用
ひな形を作って複製し、背景色や画像だけ差し替えて数パターンを一気に出す。 - ChatGPTへの再リクエスト
「同じコンセプトで少し違うニュアンスのコピーを3つ」と追加注文して、投稿内容を微妙に変化させる。 - 定期的にテンプレートをアップデート
季節やイベントに応じて色合いやモチーフを変えることで、飽きられにくい投稿群を生み出す。
私が支援したあるEC企業は、半年以上同じテンプレートを使い続けた結果、「投稿がワンパターンになってきて、エンゲージメントが下がった」という課題に直面しました。ChatGPTを利用して「季節感を意識したメインカラーの提案」を求め、Canvaでテンプレートを差し替えたところ、新鮮味が戻り、再びいいね数やクリック率が向上したのです。
【第4章のFAQ】
A: 無料でも十分な機能を使えますが、有料プラン(Pro)ではブランドキットやプレミアム素材、背景透過などの高機能が使えます。複数人で運用する際はProが便利という声が多いですね。
A: その場合、ChatGPTに「文字数を○○文字以内に収めて要約して」と依頼し直すのがおすすめです。可読性が保たれる範囲に収め、ポイントを絞ったテキストを使うとSNS閲覧者に伝わりやすいです。
A: テンプレートが豊富なので、基本的には“ドラッグ&ドロップ”感覚で編集できます。色やフォントを変えるくらいなら高度なスキルは不要です。凝った加工や特殊なレイアウトが必要な場合は、プロの手を借りる場合もあります。
A: 各ツールのライセンスや規約に従う必要があります。たとえばDALLE-3は比較的緩やかな利用規約になっていますが、万が一問題が起きても自己責任となります。商標や著名人の写真などへの利用には注意が必要です。
【第4章のまとめ】
ChatGPTで生み出した文章やアイデアを、Canvaなどのデザインツールで“見映え”に変換することで、SNS上で目を引く投稿が短時間で完成します。季節やテーマごとにテンプレートを切り替え、バリエーション豊かなビジュアルを量産できるのも大きな利点。次章では、こうして作り上げた投稿を“自動的に予約配信”して更新頻度を保つ仕組みづくりについて解説します。
第5章:ChatGPTと自動投稿ツールでSNS更新を止めない仕組みづくり
▼サマリー
SNSで成功するには、投稿の「質」と同じくらい「更新頻度」も重要です。どんなにいい投稿でも、数日おきに放置されればフォロワーは離れていってしまう可能性が高い。そこで活用したいのが、ChatGPTで作ったコンテンツを自動投稿ツールへ流し込み、定期的に配信する仕組みです。本章では、BufferやHootsuiteなどの代表的ツールの特徴や導入事例を紹介しながら、「投稿忘れ」や「複数アカウント管理の煩雑さ」を解消する方法を解説します。私自身が管理していた複数のクライアントSNSでも、大いに役立ったシステムです。
5-1. ChatGPT 自動投稿のメリットを再確認
- 継続力
ツールに投稿を予約設定しておけば、担当者が忙しい日でもSNSが更新される。 - 複数アカウント同時管理
Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、LinkedInなど、異なるプラットフォームを一つの画面でコントロールできる。 - 最適な投稿時間の提案
Hootsuiteなど一部ツールでは、フォロワーがアクティブな時間帯を分析し、最適な投稿時間を提案する機能もある。
たとえば私がサポートしたIT企業では、SNS運用担当が1人しかおらず、他業務と兼任状態。忙しいと2~3週間投稿が止まることもしばしばでした。そこでChatGPTに事前に1ヶ月分の投稿案を作らせ、Hootsuiteへ予約設定。その後は「コメント対応」や「最新ニュースの差し込み投稿」だけを手動でやればいいので、結果的にSNSを止めずに済んだのです。
5-2. 代表的自動投稿ツールの比較表
ツール名 | 特徴 | 料金 / プラン | 得意分野 |
---|---|---|---|
Buffer | シンプルUI。初心者に優しい | 無料プランあり / 有料で投稿数UP | Instagram, Twitter中心 |
Hootsuite | 多機能・分析も充実。大手利用多 | 有料プラン中心 / 月額数千円~ | 複数SNSをまとめ管理 |
Later | 特にInstagramに強い | 無料トライアルあり / 有料プランで高度機能 | ビジュアル投稿特化 |
Social Pilot | コスパ高め。チーム管理しやすい | 有料プラン / 月額$25~ | 中小企業向け |
※最新の料金や詳細は各ツールの公式サイトを参照してください。
5-3. ChatGPT×自動投稿ツールの運用例
- ChatGPTで投稿文とハッシュタグ、画像案を一括生成
- 「来月分として毎週2回投稿するSNS文面を8本用意して」
- Canvaで画像をまとめて作成
- 8本分のビジュアルを一挙に仕上げ、ファイル名などで管理
- 自動投稿ツールにアップロード&スケジュール設定
- 月曜と木曜の午前8時に配信するといった形で予約
- コメント・リプライへの返信は手動対応
- 投稿後のフォロワーとのやり取りはリアルタイム感が大事

■ 実際の例:都内の人材派遣会社
- 課題:求人情報や社内紹介の投稿が不定期で応募数が安定しない
- 対策:ChatGPTに「今月の採用枠に合わせて、週2回のInstagram投稿を10本分生成」→Canvaで統一デザイン→Bufferでスケジューリング
- 結果:担当者1名の作業時間が週2~3時間程度に集約、かつ投稿が途切れなく配信されるようになり、応募数が昨年比150%に増えた
5-4. リアルタイムの投稿も組み合わせよう
注意点として、自動投稿だけに頼りすぎると「人間味」が失われる場合もあります。リアルタイムで起こった業界ニュースやトレンドには、手動の投稿(プラスChatGPTで文章作成をサポート)で素早く反応することも大切です。完全オートメーションよりも、半自動+トレンド対応のハイブリッドが理想的でしょう。
【第5章のFAQ】
A: そうです。Instagramはハッシュタグ多めOKですがX(旧Twitter)は文字数制限あり。事前にChatGPTで「Twitter向けは140文字以内で」「Instagram向けはハッシュタグ多めに」と指示して複数パターンの文案を用意しておくと、スムーズです。
A: コメント返信やDM対応は、どうしても手動がベースになります。とはいえ、投稿作業自体を自動化することで、フォロワー対応に時間を割けるようになるのがメリットです。むしろコミュニケーションが活性化する企業もあります。
A: 多くのツールは、予約済みの投稿を編集・削除できる機能を備えています。ChatGPTで修正文を作って差し替えるだけなので、思ったより手間はかかりません。
A: SNSマーケティングは即効性というより継続性が鍵。ChatGPTで下準備が楽になり、自動投稿で安定更新ができれば、徐々にブランド力や認知度が高まっていきます。最低でも3~6ヶ月のスパンで見守るのがおすすめです。
【第5章のまとめ】
ChatGPTと自動投稿ツールを組み合わせることで、SNS更新の「抜け漏れ」「手間」を大きく削減できます。忙しい経営者や兼務の担当者でも、1~2時間程度かけてまとめて1ヶ月分を仕込むというやり方なら続けやすいでしょう。さらにリアルタイム投稿をプラスすることで、トレンドやユーザーとのコミュニケーションも逃さないハイブリッド運用が実現します。
【第1~5章まとめ:ここまでのポイント総括】
ここまでで、ChatGPTとCanva等のデザインツール、そして自動投稿ツールを組み合わせたSNS運用の効率化について、かなり具体的に解説してきました。あらためて要点を整理すると、以下のとおりです。
- ChatGPTの導入で投稿ネタや文章作成が劇的に時短
- 誰でも抱える「ネタ切れ問題」をAIが一挙に解消
- プロンプトエンジニアリングを活かしてターゲットや口調を明確に指示
- Canvaを使えばビジュアル作成も短時間で
- テンプレート&ブランドキットの活用で統一感ある投稿が量産可能
- 画像生成AI(DALLE-3など)と連携すればオリジナル素材も自作できる
- 自動投稿ツールで更新し続ける仕組みを確立
- BufferやHootsuiteなどで複数SNSを一括管理
- リアルタイムのトレンド投稿も併用すると効果倍増
こうした流れを構築することで、今まで毎日数時間費やしていたSNS運用を数十分~1時間程度に圧縮しつつ、質を落とさないどころか向上させられるケースが多々あります。後編(第6章以降)では、さらに踏み込んだSNS分析、具体的事例紹介、リスク管理のポイント、AIとSNSマーケティングの今後などについて掘り下げる予定です。ぜひ引き続きチェックしてみてください。
第6章:ChatGPTを活用したSNS分析でPDCAを回す方法
▼サマリー
SNS運用では、投稿するだけで満足していては効果を最大化できません。いいね数やコメント、フォロワー増減など、さまざまな指標を分析し改善を繰り返す「PDCAサイクル」が欠かせないのです。本章では、ChatGPTがSNS分析にどう役立つのか、また「ハルシネーション」への対処や、より正確なデータをもとにアクションを決める際のコツを詳説します。私自身が中小企業のSNSを改善していく過程で採用しているフレームワークや、実際のダッシュボード事例なども盛り込みながら、日々のPDCAをどのように回せるかを具体的に解説していきます。
6-1. SNS分析の重要性とChatGPTのポテンシャル
SNSでの活動は、投稿やキャンペーンをやりっぱなしにしがちですが、データを見ないと「何が成功で、何が失敗か」を判断できません。いいね数・リーチ数・インプレッション・フォロワー増減・クリック数など、追うべきKPIがたくさんあります。
ChatGPTはこれらの情報を直接集めるわけではありませんが、私たちが集めたデータを要約させたり、改善策のブレストをサポートしたりする点で非常に有用です。
たとえば、InstagramインサイトやX(旧Twitter)アナリティクスから「1週間分の投稿データ」をCSVでエクスポートして、そのテキストをChatGPTに貼り付け、要約を依頼すると、主要な傾向やポイントを自動的にまとめてくれます。そこからさらに「いいね数が高い投稿の共通点は?」「ハッシュタグの使い方に問題はないか?」などと質問すると、分析のヒントが返ってきます。
もちろん最終的には担当者が事実確認や提案を精査する必要がありますが、大量データの“第一段階の読み解き”を任せるだけでも作業時間が大幅に削減されるのです。
6-2. PDCAサイクルとChatGPTの使いどころ
PDCA(Plan-Do-Check-Act)は多くのビジネスで採用される改善サイクルですが、SNS運用でも同様に活用できます。
- Plan(計画)
- ChatGPTに市場トレンドやハッシュタグ情報を要約してもらい、投稿方針を検討
- 投稿のターゲットやテーマを決める際もAIのアドバイスを受けやすい
- Do(実行)
- 実際の投稿作成。ChatGPTとCanvaの連携で効率的に行う
- Check(検証)
- アナリティクスのデータやコメントの傾向をChatGPTで要約させ、反応が良い/悪い投稿の特徴を抽出
- Act(改善)
- 改善案をChatGPTにアイデアとして出してもらい、次のPlanに反映
特にCheck→Actの部分でChatGPTが力を発揮します。私がとあるEC企業を支援した際には、週1回のチェック会議で「先週の投稿データ」をChatGPTにかいつまんで要約させ、そのうえで「改善施策を3つ提案して」とリクエスト。AI案をベースに人間の知見を加えて修正し、結果的に2ヶ月でクリック率が1.5倍になりました。
6-3. ハルシネーション(誤回答)への対処法
ChatGPTは学習データに基づいて推論を行うため、必ずしも常に正確な情報を返してくれるわけではありません。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼び、特に統計情報や数値データなどでは誤りが混じる可能性があります。
SNS分析でも、いかにも正しそうな数字や理論を述べる場合があるため、必ず元データとの照合が必要です。私が一度遭遇した例では、ChatGPTが「Instagramの平均エンゲージメント率は15%程度」などというあり得ない数字を“堂々と”言い切りました。通常、業界平均は1〜3%と言われることが多いので、そこで誤回答とわかるわけです。
■ ハルシネーション対策のポイント
- 信頼できる一次データを用意する
CSVなどの生データを貼り付ける・リンクで確認させる - 現実の平均値や相場観をあらかじめ頭に入れておく
例:SNSエンゲージメント率は数%台が当たり前等 - ChatGPTの回答に数字が出たら、根拠を質問し確認する
「そのデータのソースは?」「いつ時点の統計?」と追及する
私のクライアント向け研修でも「ChatGPTは相棒だけど教祖ではない」とお伝えしています。疑問を持って検証する姿勢があれば、ハルシネーションは十分に回避可能です。

6-4. 分析ダッシュボードとChatGPTの連携例
以下は私が提案する簡易的なSNS分析ダッシュボードの例です(テキスト形式ですが、実際にはExcelやGoogleスプレッドシートで管理)。必要ならBIツールに繋げる企業もあります。
────────────────────────────
【SNS分析ダッシュボード例】(週次)
週次期間 : 〇月〇日〜〇月〇日
1) 投稿本数 : X本
2) 新規フォロワー : +XX人
3) インプレッション : XXXX回
4) エンゲージメント率 : X.XX%
5) クリック数 : XX回
6) 反応が良かった投稿 : ○○(投稿ID)
7) 反応が悪かった投稿 : △△(投稿ID)
────────────────────────────
【考察&ChatGPT要約】
先週の投稿データはChatGPTへ貼り付け、以下のように要約コメントを出力。
・エンゲージメント率が上がった要因:○○○
・ターゲット層へのリーチ拡大:○○○
・改善点:□□□
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こうしたダッシュボードを週1回更新し、ChatGPTの要約で省力化。たとえば「反応が良かった投稿のコピーやビジュアル要素」をChatGPTに挙げてもらい、それを次回の投稿に活かすなど、PDCAがスピーディに回るようになります。
【第6章のFAQ】
A: 現状のChatGPT(標準機能)ではSNSのAPI連携は難しいです。ただ、外部サービスや開発者向けAPIを使えば可能性はあります。自社で開発リソースがあれば「ChatGPT→SNSデータ取得→自動分析」という仕組みも構築可能です。
A: 大丈夫です。SNS分析における数値は、意外と自分たちで把握している範囲や過去の実績があるはず。あまりにもかけ離れた数字が出てきた場合は要注意です。また「その根拠を教えて」とたずねるのも有効。
A: ChatGPTに「このデータを踏まえて、3つの改善施策を考えて」と指示し、まず案を出してもらいます。その後、人間の視点で「これは実施可能か?」「予算やリソースに合うか?」を検討し、1〜2案に絞り込むと進めやすいです。
A: むしろ小規模だからこそ“正しい方向”を探るためにPDCAが必須です。ChatGPTの要約で時間を短縮しながら、週1回だけでも数字を見て改善点をメモする習慣を作るといいでしょう。
【第6章のまとめ】
ChatGPTはあくまでも“分析の補助役”であり、最終判断は人間に委ねられます。しかし、大量のデータを素早く要約してアイデアを出してくれるのはSNS運用のPDCAにおいて非常に心強い存在です。ハルシネーションにだけ注意して、適切に使いこなせば、これまで1〜2時間かかっていた分析作業が30分程度に短縮できるという声も少なくありません。次章では、より具体的な成功事例や失敗談を通して、「ChatGPT×Canva×自動投稿」による成果を体感していただきます。
第7章:採用活動や集客で成果が出た具体的事例紹介
▼サマリー
この章では、ChatGPT 自動化・効率化を導入することで「実際にどんな成果が出るのか」をよりリアルに掴むため、筆者が見てきた事例を紹介します。飲食店でのフォロワー激増や、採用難に直面していた企業がSNS投稿の効率化で応募者数を倍増させた話など、成功談だけでなく、途中で失敗して修正したケースも包み隠さずお伝えします。具体的な数字と共に学ぶことで、「自社でもできそう」「こういうところに落とし穴があるのか」と理解を深めていただければ幸いです
7-1. 事例1:地方飲食店チェーンのフォロワー大幅増
- 背景
北海道の小さなチェーン居酒屋(4店舗展開)がInstagramを軸にした集客を始めたが、運用者がオーナー1人で回していた。週に数回投稿するだけで手一杯、ネタ切れにも陥り来客増に繋がらなかった。 - 導入内容
- ChatGPTで「メニュー紹介」「スタッフの日常」「店舗の裏側ストーリー」などの投稿ネタを大量生成
- Canvaで「統一感のある店舗ブランディング」テンプレートを作成
- Bufferによる自動投稿設定
- 成果
- 投稿頻度が月2回程度→週3〜4回に増加
- 3ヶ月でInstagramフォロワーが約700→2,000に倍増超
- チェーン全体の売上が対前年比115%に上昇
- 成功要因
- ChatGPTが案出しを担当することでオーナーが調理や接客に集中できた
- 地域密着エピソードやスタッフ紹介投稿が好評となり「このお店に行ってみたい」というファン意識を醸成
私が訪問した際、オーナーが「もうSNS更新が苦痛じゃなくなった」と笑顔で話してくれたのが印象深いです。店舗スタッフも自分たちの写真やストーリーが投稿されるのを楽しみにしている、まさに“全員参加型SNS運用”が実現していました。
7-2. 事例2:中小企業の採用戦略が劇的改善
- 背景
人材不足が続くIT系中小企業(従業員50名)が、既存の求人媒体の反応が落ちてきたためSNS採用に挑戦。しかし、社内にクリエイティブスキルを持つ担当者がおらず、更新が1ヶ月に1回程度にとどまっていた。 - 導入内容
- ChatGPTで「社員インタビュー」「職場紹介」「福利厚生Q&A」などの連載コンテンツを開発
- Canvaでビジュアルを統一。社内イベント写真を盛り込み、社員の声をテキスト化
- X(旧Twitter)とInstagramを中心に自動投稿ツール(Hootsuite)で週2回更新
- 成果
- 採用応募数が3ヶ月で2倍に増加
- 特に20代後半〜30代前半の応募者が増え、書類選考通過率も向上
- 1人あたりの採用コストが約30%削減
- 成功要因
- ChatGPTが作成した「カジュアル面談風インタビュー」が親近感を与え、社風が伝わりやすくなった
- 社員のリアルな声や写真を載せることで応募者の不安を解消
面白かったのは、オフィス紹介の投稿に対し「社内キレイすぎませんか!?」「実際はもっと散らかっているのでは…?」とコメントが来たこと。するとChatGPTを使って、さらに「リアルなオフィス風景投稿」「働くスタッフのデスク周り紹介」などのアイデアを連発し、より飾らない姿を見せることで応募者との心理的距離が一気に縮まりました。
7-3. 事例3:スタートアップ企業のブランド認知度向上
- 背景
新規にアプリを開発するスタートアップが、ほぼ無名状態からプロダクトの認知度を高めようとTwitterとLinkedInを運用。しかし、競合が多い市場で苦戦し、フォロワーも伸び悩んでいた。 - 導入内容
- ChatGPTで「製品特徴のわかりやすいまとめ」「ユーザー事例」「社員の技術ブログ要約」を投稿ネタとして量産
- Canvaでプロダクトのスクリーンショットを分かりやすくデザイン化
- Twitter、LinkedInそれぞれに合った文量にChatGPTが自動調整し、Hootsuiteで配信
- 成果
- 4ヶ月でTwitterフォロワーが1,200→3,500に増加
- LinkedIn経由で問い合わせ件数が月5件→15件に増加
- 投資家やパートナー企業からの反応も増え、協業案件がいくつか成立
- 成功要因
- 技術的に難しい製品内容をChatGPTが「中学生でもわかるように説明」→多くの人に刺さる投稿へ
- 「社員の技術ブログを要約&要点を分解」することで、1つのブログから複数投稿に展開可能
このスタートアップは若いエンジニアが多いチームでしたが、マーケティング経験はほぼゼロ。しかしChatGPTを使うことで「どう表現すれば伝わるか」のヒントが得られ、かつCanvaで素人っぽくないビジュアルが作れたため、短期間でブランディングを構築できたのです。
7-4. 失敗事例から学ぶ:炎上リスクや著作権トラブル
成功事例ばかりだと夢物語のように聞こえるかもしれないので、失敗事例も挙げます。あるアパレルショップがChatGPTで英語を含むコピーを作り、海外テイストの画像をネットから拾ってCanvaで加工し投稿したところ、実はその画像の著作権がグレーだったという問題が判明。幸い大きなトラブルにはならずに済みましたが、最悪の場合、権利侵害で法的措置を取られる可能性もありました。
また、採用系の投稿で企業が意図せず差別的・選別的と取られかねない表現を入れてしまい、コメント欄で批判を受けたケースもあります。ChatGPTが提案した文面を、そのまま鵜呑みにしてしまったのが原因です。最終チェックを怠ると、炎上リスクはゼロではないと肝に銘じてください。
【第7章のFAQ】
A: もちろん、ChatGPTだけで全てが決まるわけではなく、商品力や顧客ニーズなど様々な要因が絡み合っています。ただ、AIによる時短と質向上がなければ生まれなかった成果であるケースが多いのも事実です。
A: 画像やイラストを利用する際は「商用利用OK」の素材サイトを使うか、自分で撮影・作成したもの、あるいはAI生成であっても利用規約に合致する素材を使うのが鉄則。ChatGPTに提案させるときも「著作権に抵触しない素材サイトを挙げて」と明示するとよいでしょう。
A: 多少は予防できる場合がありますが、ChatGPTが万能に炎上を予測するわけではありません。差別的表現や時事ネタに関するセンシティブな話題などは、必ず人間の目でチェックし、社内コンプライアンス基準を通す必要があります。
A: むしろ失敗から学んで改善すればOK。AIツールは常にアップデートされ、自身の知見も増していきます。必要に応じてプロのコンサルタントや法律の専門家に相談しながらリカバリーし、再スタートを切った企業も多いです。
【第7章のまとめ】
ChatGPTを活用したSNS運用は、時間短縮と成果向上の両方で大きな可能性を秘めています。実際、短期間でフォロワー数を大きく伸ばしたり、採用応募数を増やしたり、無名企業が一気に注目を浴びたりするケースが珍しくありません。ただし、著作権リスクや誤情報リスクを回避するために、きちんと最終チェックを怠らないことも重要です。次章では、そうしたリスク管理の詳細と、導入の注意点をさらに掘り下げていきます。
第8章:導入時に気をつけたいリスクと注意点
▼サマリー
AIを用いたSNS運用は多大なメリットがある一方、誤情報発信やコンプライアンス問題、社内リテラシー格差などのリスクも存在します。本章では、ChatGPTや画像生成AIを導入する際に押さえておきたい注意点を整理。炎上リスクを最小限にするためのチェックリストや、社内マニュアルづくりのポイントを解説します。また、プライバシーやセキュリティの観点から、顧客データや機密情報をどう扱うべきかも触れます。後悔しないために必要な心構えをまとめました。
8-1. 誤情報・ハルシネーションへの対応策
先ほどの第6章でも述べたとおり、ChatGPTは時に誤情報を“堂々と”提示することがあります。これをSNSに載せてしまうと、訂正や謝罪が必要なレベルのミスにつながりかねません。対策としては以下のとおりです。
- 「出典の明記」をAIに求める
- ChatGPTに「その数字の根拠は?」「いつのデータ?」と常に確認
- 人間が必ず校正
- 特に重要な数値や固有名詞は、自分で二次確認し間違いがないかを見る
- テスト運用期間を設ける
- いきなり大規模導入せず、社内向けテスト投稿などでAIの誤回答率を把握する
8-2. コンプライアンスと炎上リスク:ガイドライン策定
差別発言や個人情報、誹謗中傷につながる表現がないか、投稿を確認する仕組みを作るのは必須です。大企業だとSNS投稿の前に法務部や広報部が目を通すケースもありますが、中小企業や小規模店舗だとそこまで人手がいないかもしれません。そこで、最低限のSNSガイドラインを整備することを推奨します。
たとえば以下のような項目を定めるだけでも、リスクは大きく下げられます。
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【SNS運用ガイドライン(例)】
1) 投稿前チェックリスト
- 法的問題(著作権、商標権)に抵触しないか
- 誤解を招く表現や差別的言い回しがないか
- 引用元リンクが明記されているか
2) 不適切表現の事前登録
- 過度に排他的な文言、政治・宗教差別的な内容などを例示
3) 炎上時の対処フロー
- 誤情報が指摘された場合の修正・謝罪手順
- 社内連絡先(上長・広報担当など)
4) AI生成物の取り扱い
- 生成したテキストや画像を投稿する際の最終チェック担当
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こうしたガイドラインを一度作っておけば、ChatGPT導入後も継続的に運用できます。炎上が起きてから慌てて対処するより、事前にルール化しておく方が圧倒的に安全です。
8-3. プライバシーやセキュリティの観点
- 個人情報をAIに入力しない
- ChatGPTに顧客名簿や個人が特定できる情報を貼り付けるのは厳禁
- 加工して匿名化、要約などを徹底する
- 機密情報の扱い
- 自社の機密プロジェクト情報を気軽にAIに投げると、後々トラブルになる可能性がある
- 社内で利用範囲や扱い方を明確にする
- 社内権限設定
- AIやSNSツールを誰が使うのか、どこまで権限を与えるのかを整理しておく
私が過去に見た危険例では、採用担当者が応募者の氏名や住所をChatGPTに入力し、書類選考の要約を依頼していたケースがあります。これはプライバシーの観点でも大問題で、応募者個人を特定できる情報を外部サービス(AI)に渡すことになるため、重大なリスクを伴います。こうした事態を防ぐためにも、利用規約や社内ルールをしっかり周知しておきましょう。
8-4. 社内浸透と教育:成功へのカギ
AIツールを導入しても、現場担当者や管理職が抵抗感を持っていては機能しません。特に、年配の社員やデジタルが苦手な人には「AIなんて怪しい」「勝手に投稿されるのは怖い」というイメージがあるかもしれません。そこで導入時は以下の施策が有効です。
- ハンズオン研修
実際にChatGPTやCanvaを触ってみて、文章が生成される様子やデザインテンプレートの便利さを体感してもらう。 - 小規模テスト運用
まず1部署や1つの店舗で試し、効果と安全性を確認してから全社展開。 - 成果を可視化
「投稿作業時間が30%短縮された」「フォロワーが○○人増えた」などの数値を定期的に社内で共有し、AI活用のメリットを実感してもらう。
【第8章のFAQ】
A: ツールや国によって扱いが異なりますが、たとえばOpenAIはユーザーが生成したコンテンツの権利をユーザーに付与すると明記しています。ただし商用利用や二次配布などは利用規約を熟読し、場合によっては専門家に相談してください。
A: 基本的には安全とは言えません。社内外秘のプロジェクトや契約情報などをAIに入力すると、そのデータが学習に使われるリスクも否定できないため、機密保持の観点で大問題になりえます。要約する場合は必ず匿名化や伏字を徹底してください。
A: ケースバイケースです。誤情報なら迅速な訂正が必要ですが、削除だけでは「なかったこと」にはできません。SNS上では既に拡散された可能性もあるため、訂正文や謝罪を合わせて出すなど適切なフォローが重要です。
A: 「すごく便利」と抽象的に言うより、具体的な作業時間短縮データや事例を示すと理解されやすいです。また、最初は小規模でテスト運用し成果を実感してもらうことが大切です。大掛かりに全社展開すると抵抗感が強まることもあります。
【第8章のまとめ】
ChatGPTをはじめとするAIツールを導入する際には、誤情報や著作権・プライバシーリスク、さらには社内リテラシー問題など、気をつけるべきポイントが多々あります。これらを軽視すると、思わぬ炎上やコンプライアンス違反につながる恐れがありますが、逆にしっかりとしたガイドラインと教育体制を整えれば、大きなトラブルを回避しつつメリットを最大化できます。いよいよ次は最後のパートとして、AIとSNS運用のこれからを展望し、締めくくりとしましょう。
終わりの挨拶:これからのSNS運用とChatGPTの展望
ここまで【第1章~第8章】にわたり、「ChatGPT×Canva」でSNS運用を効率化し、自動投稿や分析を取り入れながら成果を高める一連の流れを詳しくご紹介してきました。かなりの長文になりましたが、要点を再度まとめると以下のようになります。
- 投稿アイデア・文章作成の自動化
- ChatGPT 投稿でネタ出しに困らない
- プロンプトを工夫すればオリジナリティも保てる
- デザインの効率化
- Canvaでテンプレート化し、AI生成コピーをサクッとレイアウト
- 画像生成AI(DALLE-3など)と連携すれば素材集めも高速化
- 自動投稿ツールで更新継続
- BufferやHootsuite等で複数SNSを一括管理
- リアルタイム投稿とハイブリッド運用がベスト
- 分析・PDCAの加速
- ChatGPTにデータ要約や改善アイデアを出させ、担当者が最終調整
- ハルシネーションには注意が必要
- リスク管理と社内教育の重要性
- 著作権やプライバシー、炎上リスクをガイドラインで回避
- 小規模テストと成果の「見える化」で社内導入をスムーズに
なぜ今SNS運用でChatGPTが必要なのか?
私自身の実務経験やクライアント事例からも言えるのは、人手不足や時間不足を抱える企業こそ、AIツールを使う余地が大きいということです。大企業なら専門部署や外部代理店に任せられるかもしれませんが、中小企業や個人事業主には難しい。そこでChatGPTが大量の文案やアイデアをサポートし、Canvaが手軽に魅力的なビジュアルを提供する。さらに自動投稿ツールが「継続」を支えてくれるのです。
SNS運用×AIのこれから
AIはこれから数年でさらに高度化し、音声や動画生成との連携も進むと言われています。テキスト文章だけでなく、リアルな動画アバターが自動作成される時代がもう目の前まで来ています。そうなれば、SNS運用のあり方も劇的に変化し、文字や静止画中心からよりリッチなメディア表現へと移行するでしょう。
しかし、どんなにAIが進化しても、「どんな目的で誰に何を伝えたいのか?」という基本的なマーケティング視点は人間の仕事です。AI+人間のコラボレーションこそが最大の成果を生むと確信しています。
最後に
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。長文でしたが、何かしら「明日から試せるヒント」を見つけていただければ幸いです。もし、本記事のノウハウを自社にどう導入すればよいかわからない場合は、いつでも合同会社ALPINOにご相談ください。ChatGPTやCanva、SNS自動投稿ツールなどのセットアップを支援し、運用フローをカスタマイズすることも可能です。
それではこれを機に、ぜひ「SNS運用が10倍ラクになる」投稿革命を起こしてください。皆さんの成功事例を聞ける日を楽しみにしています!